ファイナンシャルフェアプレーの効果や抜け道の実情

ファイナンシャルフェアプレー(FFP)とは、欧州サッカー連盟(UEFA)が加盟クラブの財務健全化を図るために、2014年から施行した規則です。2007年に当時の会長であったミシェル・プラティニが提唱し、2009年の理事会で導入が決定されました。この規則ではクラブの赤字経営を禁止しており、クラブの事業経費がサッカー事業による収益を超えることができません。また収益についても、純粋なサッカー事業によるものに限定され、それまでのように銀行からの借り入れやオーナーのポケットマネーによってクラブの赤字を補填したり、有力選手を獲得することもできなくなりました。

ちなみに純粋なサッカー事業とは、選手売却による移籍金をはじめ、スタジアム入場料やテレビ放映権、各大会賞金やグッズ収入、あるいはスポンサー収入等を指します。仮に規則に違反した場合には、最大で欧州大陸大会(CL、EL)への出場資格が剥奪される措置が取られます。この規則が施行されたことにより、主力選手を放出して資金を捻出するクラブや海外でサッカースクールを開校して積極的に事業展開するクラブなど一定の効果が見られました。

その一方で、クラブオーナーのグループ企業を同じクラブのスポンサーにすることで、迂回的に資金提供を行うなどの抜け道が指摘され、その効果に疑問の声があるのも事実です。実際に、有力オーナーが経営するビッグクラブでは相変わらず大型補強を続けているのが現状となっています。

グラウンドの芝